舞台「春が来た」

2002.8.12 ル・テアトル銀座

原作 : 向田邦子 池田須江 : 池内淳子
脚本 : 飯島早苗 池田直子 : 涼風真世
演出 : 山田和也 風見隆一 : 松村雄基
池田順子 : 松岡由美
池田周次 : 山本学



今から感想を書くにあたって、、舞台を観に行かれなかった人にも 行ったような気になってもらえたらいいな〜ということで、あらすじを 交えて、書こうと思います。それから今回に限ったことではないのですが、 私は前後関係がかなりごちゃごちゃになる傾向にありますので、 違っている可能性が大です。それとセリフも、実際のセリフと私が解釈した ものが必ずしも一致していないと思います。。なので、「意味は同じだけど言い方が違う」 というのもかなり多いと思います。



「今までとは違う舞台」と聞いてはいましたが、開演5分前のアナウンスでまずびっくり! 最初は携帯の電源を切ってくださいとか、撮影は禁止です というような当たり前のことが 流れていたのですが、それだけでは終わらず

『携帯が鳴ると出演者がセリフが出てこなくなったり、他の芝居のセリフを言ってしまったり、 撮影されると、ウケを狙いに走ってしまうかもしれません』

というようなアナウンスが、真面目な淡々とした声で流れてました。。 もっといろいろ言ってた気がするのですが、ちょっと覚えてないです。。 でも、このアナウンスだけでもこれから始まる舞台の面白さを物語っているようでした。



そして開演。

場所は喫茶店。 頭の先から爪先まで で統一されたド派手な直子。 喫茶店のウェイターはどうやら直子の知り合いらしい。 そして直子の姿を見て

「オシャレしないより性質が悪い!」

とまで言われる始末。 今日はどうやら風見と待ち合わせらしい。風見とはまだ2人っきりで会うのも数える ほどしかなさそうだった。予定時間より少し遅めに風見が登場。 急いで来たので汗だくの様子で、ハンカチで汗を押さえながら

まずは運ばれて来た 水を1杯。 ここからカウンタースタート!

そして「冷たいものでも。。」という直子に従い、風見が「アイスコーヒー」を注文。

ということで、 2杯目:アイスコーヒー

水は透明のグラスに入って出てきた。でもアイスコーヒーはなぜか、 透明なグラスではなく色付きのアルミっぽい感じの素材 のグラスだった。 なんであんなグラスなの?とすごーーく疑問だったけど、今考えると、 「本当に飲んだかどうかわからなくする」ためだったのかもしれない。。 さすがに一度に2杯は辛いでしょう。。

それから直子は風見に自分のことや家族のことを話し出す。

その内容とは。。

自分のことは、

「年齢と彼氏いない歴が一緒」
「会社ではいてもいなくても同じ」
「私服を着てても制服と変わらないと言われる」

とか、いじけたような発言の連発。 それに対して風見は、全てを良い方向に持っていくような、フォローを続ける。 そして家族のことは、「外から帰ったらまずビール」だという風見に向かって「うちは違う」と言い出す。 よく冷えた麦茶?と思いきや、母親は麦茶が好きではないらしく、

「麦茶を飲むくらいなら水!」

だそうで。。

#直接セリフには表れていなかったのですが「麦茶」というものが、 庶民的過ぎるという意味で、「麦茶なんて飲めないわ〜」というような意味で言っていたように 私は受け取りました。。
そして、母親は外で働いたことがないから家でも良い着物を着てしまうし、 妹は 音楽留学 をしたいと言っている。。。と。 直子は自分の家族のことを「お上品な家族」と強調して、風見に 紹介していた。それに対して「良い家族だね」と相槌を打つ風見。そして、今からフランス料理でも 食べに行こうとしたところで、突然直子が派手に転んで、足を捻挫してしまう。仕方ないので フランス料理は諦め、家まで送ってもらうことになった。

タクシーで送ってもらったのだが、家の少し前で 「ここでいいです!」 を主張する直子。 でも捻挫してるんだから家まで送るという風見とやりとりをしている間に、 ちょうど外に出たお母さんに見つかってしまい、風見も直子の家に上がることになった。 でも直子のお母さんを見る限り、、さっき直子から聞いた話と かなり 違う。。。

「家の中でも良い着物を着てる」と聞いたがはずなのに、お母さんが着ているものは、 中に着ているシミーズがはみだしている ヨレヨレの着物。 しかも 夏なのに靴下を履いているし、髪もかなりボサボサ。 正直、池内淳子さんがこんな格好での登場だったことに、かなり驚いた。予想と違い過ぎる!!!

そして家の中に入ると、ランニングシャツ姿のお父さんが。。家の中は「これでもかー!」というくらいに散らかっている。 極めつけは、とりあえず飲み物でも。。とお母さんが持ってきたのは、水、、ではなく 麦茶 。あ、あれ?お母さん、麦茶は好きではないのでは。。?うーん、、直子の話と違うなぁ。。ま、いっか。。 で、麦茶を注いであげたのは良いが、、自分にも注いでくれと言わんばかりに無言で手を差し出すお父さんには、 結局注いでもらえず、ちょっとかわいそう。ということで、

3杯目:麦茶

この段階ではセリフがあまりないお父さんだけど、風見に挨拶をする時は 正座して、床に手をついて、頭が床に付くくらい深々と下げて、謙虚極まりない。 そこへ妹が帰宅。とにかく「今風」というか、かなり派手な感じで、とても音楽留学したいタイプには見えない。。 でも音楽留学の話を風見が出してみると、妹には思いっきり否定される始末。うーん、、またまた話が違うなぁ。。

途中で、トイレへ立った風見。この時だけは「水を流す音」が聞こえてきたんだけど、その後、お父さんが トイレに立った時は音がなかった。。そしてそれ以降は1度もトイレの水が流れる音を聞くことはなかった。 だから何だと言われると困るけど。。かなり「飲む」演技があったので、本当にトイレに行きたいんじゃないか?と 思ったりしたので。。ま、いいか。

かなりの疑問を持ったであろう風見は、その疑問が解決されることのないまま、この日は麦茶を飲んだだけで 帰って行った。


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