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Multi Drama 2004 winter

はじめに

1年ぶりに書いてみることにしました。 でも前回とかなり似た内容になってしまいました。(^^; 「スカイハイ」が入った時点で最初と最後は決まってしまうわけですが(笑)、 それ以外もかぶっているネタが。(^^; 我ながら成長がなくて、 突っ込みどころ満載だとは思いますが、お暇な方はどうぞ。。


Scene 1 怨みの門

「イズコよ。。お前が迎える最後の死者がやってきたぞ。」と怨みの門の主の声

「ここはどこ?」と周りを見渡す竜崎麗香。

「ようこそ、怨みの門へ」

「どなたです?」

「怨みの門番、イズコ。 あなたは死んで、魂だけの存在になったの。 これから3つの行き先のうち、1つを選ばなくてはいけない。 1つ。死を受け入れて天国へ行き、再生の準備をする。 2つ。受け入れずに魂のまま、現世を彷徨う。 3つ。現世の人間を1人、呪い殺す。ただしその場合、 あなたの魂も地獄へ落ち、再生のない苦痛が永遠に続くことになる。」

「あなた、何を言っているの?」

「何も覚えてないのね?自分で確認してみるといいわ。記憶をたどってみましょう。。」


Scene 2 葬儀場

「お蝶夫人。。。」と、麗香の写真の前で泣いている岡ひろみ。

「この間の火事の時、私が。。私のせいだ。。」と自分を責めながら号泣するひろみ。

「岡くんのせいじゃない。そんなことで お蝶夫人は自殺なんてしないから!」と慰める藤堂。

「じゃぁ、お蝶夫人はどうして自殺なんてしたの??」

「それは僕にもわからないんだけど。。さっき竜崎さんのお父さんから これを預かったんだ。。」と麗香の携帯電話を見せる。

「お蝶夫人の携帯。。?」

「携帯電話って、その人の全てが入っていると思わないかい? きっと、ここに登録されている中の誰かが、お蝶夫人の死因を 知っているんじゃないかと思うんだ。一緒に携帯めぐりをしないか?」

「真相を突き止めるためなら。。やります!」

「じゃ、早速明日からはじめよう。」

「まず、1人目は。。明智小五郎だ。」


Scene 3 明智探偵事務所

「すみません。明智先生いますか?」と藤堂。

「じーちゃん、先生知らない?」とユキが小林老人に尋ねる。

「じーちゃんと言うなー!」と例のごとく怒る小林老人。
「先生ならいつものところじゃないかな?」

「まったくしょうがないな〜。。先生は。。 案内してあげるから付いてきて。」とユキが先導してくれる様子。


Scene 4 ドールハウス

「先生来てますか?」

「来てるわよ、また何か依頼?今度は何?」と興味深々の礼子。

「これこれ、こういうわけで。。お蝶夫人。。じゃなくて、 竜崎さんの自殺の原因を探るために携帯めぐりをしてるんですよ。」と 説明する藤堂。

「え?麗香ちゃんが自殺?」と驚く明智。

「僕、昔家庭教師をしてたんですが、、自殺だなんて。。 僕もお手伝いするよ」と明智は協力してくれることに。

「その人、もしかしてあの竜崎グループの社長のお嬢さん??」 と口を挟む礼子。

「ママ、知ってるの?」

「お嬢さんの方は知らないんだけど、社長さんなら。 この前、うちの店に来てたわよ。」

「え?ここのお店に?その時はお1人で?」

「いや、外人と一緒だったわ。でも日本語を喋ってたけど。。」

「どんな話してましたか?」

「テニスの世界選手権がどうとか。。 あと、”麗香がいつカメダ会員に言った?”とか 外人の方が言ってたわね。。こちらは意味わからなかったけど」

「カメダ? 確かにそう言ったんですね?」

「そんな風に聞こえたけど。。」

「会員っていうからには、何かの会があるってことですよね?」

「そうかもしれないわね」

「竜崎さんは何かの会に入ってたり、何か習い事とかしてませんでしたか?」とひろみに聞く明智。

「ピアノは習ってましたが、、でもそれは家に先生が来ていたので、 会とは違うのかな。。あとはダンスを習ってたような。。?」と曖昧に答えるひろみ。

「ダンスの会員とか??ありえるかもしれない。ちょっと調べてみます。では、失敬!」


Scene 5 亀田ダンス教室

「ここが、亀田ダンス教室か〜。。こんなところに手がかりなんてあるんでしょうか?」

「とりあえず行ってみよう。」

「すみません、こちらに竜崎麗香さんという方が来てませんでしたか?」

「さー?知りませんねぇ。。拓馬先生、ご存知ですか?」

「いや、知らないです。」

「カメダっていうのは、ここじゃないんじゃないですか?」


Scene 6 怨みの門

「あなた、自殺したことになってるわよ。」

「わたくし、自殺なんてしなくてよ。」

「そうね。自殺した人はここには来れないから。。」

「でもひろみが火事と言っているのを聞いて思い出したわ。 そう。。学校が火事になったのよ。 その時わたくしはテニス部の部室に居て、逃げ遅れたんだわ。 あの時はわたくしとひろみだけが残されて。。 そして、コーチが助けに来てくれたと思ったら、わたくしではなくひろみを抱えて行ったのよ!! コーチはわたくしを見捨てて、ひろみだけを助けたんだわ!! それで私はあの火災で死んだんだわ。。許せない。。。。。。。」

「本当にそうかしら?」


Scene 7 亀田ダンス教室 外

「とりあえず、携帯めぐりの続きに行きますか。。 明智小五郎の次だから。。朝比奈大吾。」


Scene 8 めだかヶ丘消防署

「すみません。朝比奈大吾さんですか?」

「そうですけど。」

「竜崎麗香さんについてお聞きしたいのですが。。彼女とはどういうご関係で?」

「この間の学校火災の時に麗香さんを救出したのは僕なんですよ。」

「あなたが助けてくれたのですか?」

「ええ。。あの時竜崎さんは気を失っていたみたいで。。」

「そうでしたか。。ありがとうございます。」

「竜崎さんの怪我は腕をちょっと切っただけで、大したことはなかったんですけど、 もう1人一緒にいた女性の方が重症でした。 足を怪我したみたいで、まともに歩くことも難しそうでした。 で、竜崎さんが何か?」

「先日、自殺しまして。。」

「え”!?僕が必死に助けたのに、、自殺するなんて!」

「その自殺の原因を調べているんですよ。。」

「僕は何も知りませんよ。。」と怒っている大吾。

「おい、大吾!看板の文字はがれてるぞー。 ちゃんと直しとけ!新入りの仕事だぞ!」と遠くから甘粕の呼ぶ声が。

「うるせーなー。3ヶ月早く入ったからって先輩面しやがって!」

「早くやれよ!」

「わかったよ」

「すみません、ちょっと失礼します。」と、看板を直しに行く大吾。

その看板の周辺を見ると、「か」という文字が下に落ちており、 看板には「めだ」の字が。

「明智さん、これ!カメダですよ!!」と藤堂。

「おぉ。。」

「この看板は??」と大吾に尋ねる明智。

「うちの消防署の看板ですよ。」

大吾、「か」のプレートを拾って、貼り付ける。

「これでよし」

「めだか。。?」

「めだかヶ丘消防署ですから。」

「明智さん、カメダじゃなくて、「めだか」だってことは 考えられませんか?」

「うむ。。」

「聞き込み情報によると「”麗香がいつカメダ会員に言った”でしたよね? それ、区切るところが違うんじゃないですか? たとえば、「麗香が、いつか、めだか、いいんに、いった」とか!?

「なるほど。。その線も当たってみるか。。」


Scene 9 怨みの門

「とりあえず、コーチがあなたではなく、 彼女の方を優先して助けたのは、怪我の状態から考えても当然ね。 でもあなたもその直後にあの消防士に助けられたんじゃない。。 あなたが死んだ原因は、別のところにありそうね。」


Scene 10 めだかヶ丘消防署付近

「とりあえず、携帯めぐり、次行きましょう。えーっと次は。。東佐枝子」

(佐枝子に電話中。。。)

「東佐枝子さんというのは、めだか医院の元教授のお嬢さんらしい」

「え。あのめだか医院の?」

「火事の後、麗香さんが運ばれたのがめだか医院らしいんだ。 担当医は財前という医師らしい。」

「もしかして。。」

「何?」

「事故があったのはいつでしたっけ?」

「3月5日です。」

「わかりましたよ、明智さん。あの言葉の意味が!! ”麗香が5日めだか医院に行った”じゃないですか?」

「メイビー」と某ドラマの口癖を真似る明智。

「明智さん。。テレビの見過ぎですよ」

「ははは。。よし、めだか医院に行こう!」

「はい!」


Scene 11 めだか医院

「財前教授の総回診です」のアナウンスが院内に響く。

「すみません。3月5日にこちらに運ばれた竜崎麗香さんに ついてお聞きしたいのですが。」
「今、担当医が総回診中ですので、しばらくお待ちください。」

しばらくして。。

「お待たせしました、財前です。忙しいので手短にお願いします。」

「3月5日にこちらに運ばれた竜崎麗香さんについてお聞きしたいのですが。」

「あぁ、学校火災の?」

「そうです。治療をしたのは財前先生だと聞いたのですが。」

「最初は僕が診ましたが、その後、こちらの柳原くんに担当させました。」

「怪我の具合はどんな感じだったんでしょうか?」

「火傷自体は軽いものでした。」

「火傷自体。。とおっしゃいますと?」

「必要以上に胸のあたりを押さえて苦しそうにしていたので、 検査をしたところ、肺気腫を患っているようでした。」

「肺気腫?」

「多分、本人もそれまでに自覚があったはずですよ。。」

「命にかかわるほどだったんでしょうか?」

「普通の生活をする分には問題ありません。。 ですが、テニスを続けるのは難しいかと。 手術を勧めたんですが、大会が終わるまでは入院は絶対に 嫌だと言われて、こちらとしては困ってたんですよ」と迷惑そうに言う財前。

「そうだったんですか。。」

「財前先生!ちょっといいですか?」と割り込んでくる亀山君子。

「307号室の安西さんの部屋を片づけていたらこんなものが。」

「肺の薬?なぜこんなものが安西さんの部屋に?ま、良い。片づけておきなさい。」

「はい。。でも。。」

「ちょっとすみません。」と明智
「何か問題でも?」

「いや、たいしたことではないのですが。。 先日癌で亡くなられた安西さんの病室を片づけていたら、 安西さんのではない薬があったのでちょっと気になって。。 まぁ、安西さんがこの薬を飲んだとしても何も問題はないわけですが。。」

「それは何の薬ですか?」

「肺を患っている方に処方しています。」

「肺ですか。。じゃぁ、例えば竜崎さんはその薬を飲んでいたんですか?」

「はい。。」

「ちょっと気になりますね。。安西さんのご家族に会えませんか?」

「今病室に奥様がいらっしゃいますが。。」

一同病室へ。

「安西さんの奥様ですか?ちょっとお伺いしたいのですが、竜崎麗香さんをご存知ですか?」

「知りません。。」と容子。

「この方なんですが。。」と写真を見せる明智。

「あぁ。この方なら一度、私の不注意で廊下でぶつかったことがあって。。 花瓶を割ってしまってちょっとした騒ぎになってしまったものですから、 よく覚えています。 破片を拾ってもらうのを手伝ってくれたので。。 あと薬もばら撒いてしまって。。」

「薬。。」

「薬をばら撒いたのはあなたの方だけですか?」

「いえ、、竜崎さんも持っていたようで、同時に。。」

「それって。。その時、薬を拾い間違えたということは??」

「ないとは思いますが。。かなり動揺して焦ってましたので、もしかしたら。。」

「今となっては確認はできませんが、 安西さんの部屋からその薬が発見されたということは その可能性が強そうですね。」と財前。

「なぜそう言い切れます?」

「うちの患者で今その薬を渡していたのは、竜崎さんだけでしたから。。 安西さんが竜崎さんの薬を飲んでもどうということはありませんが、 竜崎さんが安西さんの薬を飲んだら致命的です。なので、そう考えて間違いないと思います。 だから私が勧めた時に入院しておけばよかったんだ。 そうすれば、薬の間違えなんていう初歩的なミスは 起こらなかったはずです。」と自信満々の財前。


Scene 12 めだか医院 外

「お蝶夫人は自殺したわけじゃなかったんですね。」

「それがわかっただけでも良かったじゃないか。 君がお蝶夫人の分までテニスをやることが 一番の供養なんじゃないかな?」

「はい。。私、頑張ります!! 携帯めぐりに付き合ってくれてありがとうございました。」


Scene 13 怨みの門

「薬を間違えたなんて。。そんなことで死んでしまうなんて。。 でも病気になったことも私の宿命だったのかしら?」

「また生き直せばいいじゃない。」

「そうね。」

「お生きなさい。」

「邪魔です。おどきなさい。」

麗香は天国への階段をのぼる。。


Scene 14 にじのまち幼稚園

麗奈が教室のピアノを弾いている。

「今日はみんなの夢を絵に描いてみましょう〜。」と、そらが呼びかける。

「はーい。」

「ほら、麗奈ちゃんも早く描いて。」

「はーい。。」

皆、それぞれ好きな絵を描く。

「どれどれ。。麗奈ちゃんはやっぱりピアニストになるのかな? ん?これは。。ラケット?」

「私、大きくなったら岡ひろみ選手みたいな 世界に通用するテニスプレーヤーになるの!」

「園長先生、テニスプレーヤーなんて、意味わかって言ってるんでしょうかね?」

「まぁ、子供の頃の夢なんてそんなものですよ。。」

と、気が付くとやっぱりピアノを上手に弾いている麗奈を見ながら 園長は微笑むのだった。

完。


あとがき

前回にも増して突っ込みどころ満載ですよね〜〜。(笑) 自分で書いていて突っ込みまで書いておこうかと思うくらい、 自覚してます。(^^;

だってそもそもお蝶夫人は携帯持ってないし。(笑)

★要素使用ドラマ

「砂の器」
「プライド」
「乱歩R」
「ファイヤーボーイズ」
「それは突然嵐のように」
「エースをねらえ!」
「ドールハウス」
「白い巨塔」
「スカイハイ」
「彼女が死んじゃった。」

本当は「僕カノ」までなんとか入れ込みたかったんですが、 ちょ〜っとつながりませんでした。。「奥様は魔女」は、魔法ネタに すれば何でもありになってしまうので、今回は入れるのをやめました。

★どーでもいいクイズ★

私は今回、どのネタを使いたくて、このストーリーを書いたでしょう? 書こうと思ったきっかけは「あの1箇所」なんですが。(笑)(←しょーもないので、真剣に考え ないでください。(^^;)

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。_o_